銀河英雄伝説とは・・

　戦争は今も続いている。

　人類の歴史は戦争の歴史だったと言っても異議を唱える者は

そう多くはあるまい。人類に進歩という狂言があるとすれば、

進歩が戦争という母胎の中から誕生したと言っても暴言だと

言いきれる人は今はもういまい。人類はその種子の最後の一粒が

死に絶えるまで戦い続ける生物なのかもしれない。

　戦争の中で膨大な量の血と涙と知恵が費やされゆく。その中で

様々な人の夢と野望が燃え尽きてゆく。だが、いつの世もその中で、

世界を良きにしろ、悪しきにしろ、変えようとする野望を持った

人間がいた。その野望が世界をどう変えたか、それを評価するのは

その時代の人々にまかすしかないのかもしれない。なぜなら、

世の歴史家の評価など、歴史家の生きた時代によってさまざまに

変化してゆくものだから。だが、歴史上に名を残し、世界を変え

たいと野望を燃やし、人間の歴史の中に砕け散っていった人々が

いた。

　人はそんな人間達を英雄と呼ぶ。

　　　　　　　　　映画「銀河英雄伝説 --わが征くは星の大海--」より

銀河英雄伝説とは・・

　宇宙歴７９６年、帝国歴４８９年、銀河系に進出した人類は二つの国家を形成していた。専制国家である銀河帝国と、民主共和制をとる自由惑星同盟だ。５００年にわたる歴史を持つ帝国は内部に貴族社会の悪癖を抱えており、４半世紀前に建国された自由惑星同盟も建国当時の理想が失われた国家となってしまっている。両国は１５０年の長きにわたって星間戦争を続けているが、決着はつかず、膠着状態に陥っている。

　そんな中で、鈍重な歴史の流れを加速させる二人の人物が帝国、同盟の双方に現れる。

ラインハルト・フォン・ローエングラム

　帝国の下級貴族の出身で、稀代の戦略家。２０歳にして大将で１艦隊司令官になっている、才能も美貌も兼ね備えた金髪の若者。

ヤン・ウェンリー

　もともとは歴史家を志望していたにも関わらず、運命のいたずらと、その才能でもって、重責を担うようになってしまった、さえない青年士官。２９歳で現在准将。

　そして今、ラインハルトの率いる２万隻の帝国軍艦隊が、同盟へとつながる唯一の侵攻ルート・イゼルローン回廊を通って、同盟領へと遠征してきた。同盟軍は３個艦隊４万隻でこれを迎え撃つ。第２艦隊の艦橋には参謀としてヤンの姿があった・・・

　原作は田中芳樹の小説１０巻＋外伝４巻で、徳間書店より出ている。
道原かつみによるコミックは９９年７月現在10巻まで出ている（内容は原作の２巻目の半分くらいまで）。
　アニメは全110話という史上前例のない超大作が'97春に完結し、さらに外伝のアニメが発売されている。

　まだ知らない人には、かわさき個人としては原作の単行本から入ることをお勧めする。小説を読むのが面倒くさいという人はＯＶＡかコミックから入ってもいいだろう。